「華だより」 2022.4.9 クロス・エンカウンターとは クロス・エンカウンターとは、「出会い」のことです。開祖さまは常々、「仏教とは出会いのこと、出会いを大事になさい」と私たちを導いてくださいました。 今、私たちは思い通りの順調なことばかりでなく、”コロナ禍”や”ウクライナでの紛争”など、あるいは身近な日々の出会いにおいて、不都合なことや切ないことにも出会います。 単なる出会いを英語では、ミートと表現しますが、クロス・エンカウンターは、こうした不都合や難儀を含めた人生で起こる様々な出会いを、神仏の眼(まなこ)や真理である縁起の法則を基として出会うことを意味します。 例えば、会長先生であっても、長年、父開祖さまとの受け入れがたい相克がありました。それを乗り越えて、初めて開祖さまとの一体感が深いものとなられたことを拝察します。 私たちの夫婦や親子のあいだ、職場での上司と部下との関係でも生じる出会いです。クロスは"踏切"とも訳されます。私たちが出会う難儀は、より器を大きくし、前進するための神仏の慈悲であることに気付けた時、私たちのまえには、今まで見えなかった世界が広がってくると信じます。 明日10日の会員説法からも私たちは、「出会い」から神仏のお導きを学ばせていただきたいと願っています。合掌2022.4.15 本物の幸せに向かう大道を歩む "ダーナ魂" 4月17日、「北陸壮年一念三千結集」が開催されます。光祥さまは、壮年信仰者僧伽の核心とも言える"ダーナ魂"について、開祖さまが大聖堂ご本尊の体内に収められた、体内経の結願文を易しく➖「私たちは皆一人ひとり完全な人間ではないけれど、悩んだり苦しんだりする不完全な私たちが、今の自分の環境の中で、それぞれにふさわしい精進をして、少しでも温かい心を発揮し、優しい言葉や思いやりの行いを積み重ねることができれば、それがそのまま本当の幸せであり、仏さまの世界につながる大道である」と紐解き、「初めは自分の幸せや苦の解決のための修行であっても、ある時ふと、自分の生きる目的、生き方が変わっていることに気がつきます。自分のためだった修行が、いつの間にか人さまのことが思える、本当に豊かな菩薩の生き方につながっている」と、さらに分かり易く述べてくださいました。➖「壮年のみなさまは、社会の中でもいちばん風当たりの強い場所に立っています。そこでこそ培われるのが「矛盾を抱える力」。これこそが菩薩の徳分です。➖と示しています。 来たる「結集」を通じて、本物の幸せに向かう大道を、異体同心の精進で歩む"大歓喜"を味わってまいりたいと願っております ^_^ 合掌2022.4.19 "距離をうめるもの" 4月17日、「北陸壮年一念三千結集〜北陸ダーナは幸せ物語の配達人^(^^)〜」が開催されました。 誠に稀有のお手配で、光祥さまが3時間を超えるすべてのプログラムに参画くださいました。 光祥さまは、最初にご自身がオンラインでつながる発信場所が東京のご本部ではなく、杉並区内のご自宅からであることにふれ、お部屋に飾られている大きな写真パネルをご紹介くださいました。それは、庭野家の庭で幼少期の光祥さまと並んで祖父である開祖さまが蓮華の華を指し示しておられる場面であると教えてくださいました。 このことが、プログラムが進行するに従って、とても重要であることに、気づかせていただきました。 一つは、光祥さまは、私たちを"ご自宅に招いてくださった"という印象です。開祖さまも、会長先生も、そして光祥さまも、会員である私たちを、まるで親戚のように繋がってくださっていることを、深く有り難くかみしめました。 二つ目は、開祖さまが指さす"蓮の華"です。光祥さまにとっては、体験説法、手どり、法座に登場されたさまざまな方々との出会いは初対面でした。しかし、あっという間に、ずーっと前からお知り合いかのように、相手の方とつながっていかれました。皆さん、共通に矛盾や葛藤、不都合などを抱えて人生を送られていることを受け止め、理解し、そこに、瞬時に寄り添っていかれるだけでなく、温かな光をそそいでいかれたのです。泥の中から、華を咲かす蓮のように、苦悩のただ中にあって、それを生きるエネルギーに変えて喜びを見いだす生き方のご縁を示してくださいました。"あなたはあなたのままで素晴らしい"という証明と一歩踏みだす勇気を与えてくださったのでした。 本結集は、何年にもわたる積み重ねで実現しました。まさに、さまざまな葛藤を乗り越えて本番を迎えた実行委員の面々は、終了後、晴々とした笑顔を見せてくれました。"蓮の華"が輝いたように見えました。師と弟子の一念三千の一致を感じた瞬間でもありました。 この結集に向け、壮年部をご支援くださったすべての皆さまに深く感謝を申し上げます。合掌2022.5.11 キーウはロシア正教発祥の地 4月9日に「ウクライ危機の打開に向けて」の主旨で、WCRP日本とIARF日本チャプター合同の学習会が開催されました。 その中で、前WCRP国際副事務総長で現在本会学林学長を務める杉野恭一氏が大事な視点をお話しくださいました。➖千年以上前の10世紀、ヴォロディームィル大公が東方教会に改宗した地がキーウ(キエフ)です。いわばロシア正教会の発祥の地であり、文明上の重要な地がキーウなのです。だからこそ、この紛争が停戦に至ったとしても、宗教界が果たさなければならない役割は残るとし、恒久平和と和解には長期的な取り組みが必要と述べました。さらに、ロシア正教会とローマ教皇が2016年キューバで会い、千年に及ぶ対立の歴史を克服する出会いが果たされました。これを進めたのがキルリ総主教であり、現在はプーチン政権寄りとされるものの、もともと欧米と話し合いができる人と紹介しました。私たちは、深い祈りと信仰心に根差した「平和の木」を実践し、ウクライナ大使館にも報告をさせていただきました。来たる14〜15日には青年部主催のバザーも開催されます。加えて、地元書道家として著名な西川先生が世界平和への貢献として"色紙"を出品くださいました。教会として先生の篤志を受け、バザーに加えさせていただきます。どうぞ、フードドライブと共に皆さま一丸となって、紛争の平和的解決へのバザーへのご協力をお願い申し上げます。合掌2022.5.14 "笑顔の未来"のために おはようございます。いよいよ本日14日と明日15日フードドライブとバザーが開催されます。 壮年部と青年部のメンバーが真心込めて準備を進めてきました。また、会員の皆さまのご協力によって開催できますこと、大変有り難く感謝を申し上げます。 武器や暴力によって安全や安心、平和をつくるのではなく、分かち合い、助け合う慈悲と布施のいとなみによって"安心や平和を築くことは容易ではありません。しかし、教えでつながる善き仲間たちと取り組んでいると、新たな見方や容易でないことを克服する真の喜びが湧いてきます。 書家の西川先生出展の色紙には、私たちの気持ちを切り替え、背中を押してくれるメッセージが添えられています。 どうぞ、この2日間多くの皆さまのご来場をお待ちしております。宜しくお願い申し上げます。合掌2022.5.15 未来のための今の一歩 本日も実施されたフードドライブの事前の学習で、フードバンクとやまの川口代表が、フードロスの問題を解説くださいました。その中でSDGsの翻訳にふれ、「今ある環境を未来の子どもたちに残していく」と分かり易く訳してくださいました。 未来につながるこの2日間の成果を速報させていただきます。フードドライブには、89口約180キロの食品類が寄せられました。バザー収益は、合計120,080円です。誠に尊いご協力ありがとうございました。 国内と世界の平和の両面で、その未来にささやかであっても確かな一歩が記せたことを大変有り難く思います。 また、本日5月15日は58年前大聖堂が落慶した記念日です。開祖さまは、法華経の教えによって、私たちが日々の足元から世界の出来事まで、ありのままに有り難い見方ができるように導いてくださいました。 この2日間、リアルな出会いと菩薩行を通じてスタッフや僧伽の皆さんのイキイキとした姿にふれ、この姿こそが"未来に残す宝もの"感じています。合掌2022.5.19 社会に有益な判断と行動を いま、私たちは身近な家族や職場だけでなく、地域や国、国際社会との関わりの中で現代社会を生き、生かされています。 コロナ禍やウクライナの心痛める状況を経験し、こうした実感は一層深まったのではないでしょうか。 佼成新聞5/22号4面に、国連難民高等弁務官(UNHCR)を務めた緒方貞子さんから学んだ国連UNHCR協会の中村恵さんの記事が掲載されています。 末尾のメッセージに➖なかなか良くならないこの世界を嘆くことは簡単かもしれません。しかし、私たち一人ひとりによって世界は構成されており、自分にできることは必ずあると信じ、歩み続けることが大切です➖中略➖自由な社会の中で山積する課題と向き合い、自分なりに社会の一翼を担っていくことが、人間として生きる使命と生きがいだと感じます。たとえ小さなことであっても、多くの人が協力していけば世界は変わっていくと信じます➖とありました。 衰退や争いなのか、前進や融和なのか、岐路に立つ現代社会において、主体的な理解のもと私たちを代表して開祖さまの精神で法華経を生きんとする政治家を推挙することも、足元の一歩と言えましょう。 開祖さまは"平和への道は「地道」な道である"と仰いました。いま、私たちは「特別布教」に取り組んでいます。それは、ある面では手間がかかり面倒なことも否めません。それでも社会や世界の真の救いと平和を願って、みんなで力を合わせて、一歩一歩、ひと家庭一人ひとりに法華経精神が伝わるよう直向きに布教してまいりたいと思います。 陰日向ないこの精進が自分や家族も救われ、微笑みの未来を築く原動力であると信じます。合掌2022.5.31 ウィズ−コロナの態勢へ ウィズ−コロナという表現は巷(ちまた)で言われて久しい感があります。 このところの感染者の減少傾向と政府から外でのマスクをはずせる基準が示されたことで、私たちの対策意識と行動も"ウィズ−コロナ時代"への切り替えがいよいよ本格的に必要なタイミングになったと受け止めています。 その意識と行動の鍵となるものは何か?私なりに現時点で次の二点を大事にしてまいりたいと思います。①自分の意志-判断によって、みずから責任をもって行動する。 ほかからの働きかけを待って消極的に行動する姿勢ではなく、いま私にできることは何かを考え、場合によっては僧伽と相談して積極的に行動する姿勢です。例えば、健幸行などでも今日は普段やらないところを丁寧にお掃除しようーとチャレンジすることです。②ひとつの出会いやチャレンジをする時に、"開祖さまや会長先生、光祥さまだったらどのようにされ るだろうか"と思いをめぐらせて取り組むことです。「ウィズ−恩師」ですね。 我流の器をより大きく広げ、柔軟で温かい私が育まれる秘訣です。 以上の二点は"自燈明−法燈明"を実践することでもあります。お互いさま時代の転換期にあるいま、共に支えあって信行を歩んでまいりましょう。合掌2022.6.1 “たい"よりも"ます"で生きる 先日行われた国政報告会で、開祖さまの強く印象にある言葉として、ふじすえ議員さんが「決心」と「決断」の違いをお分けくださいました。 「決心」は、何かを決めるために心を決めること。 「決断」は、字の如く"断つことを決める"ことであり、自分の"退路を断つ"ことを決めることー先が見えないからこそ、後ろを断たねばならないーとご自身がものすごい風当たりの中、所属政党を移られた際のエピソードを交え、開祖さまの「決断」お話しが背中を押してくださったこと➖「人を救い、世を立て直す」ために一回限りの"いのち"を生かす決断ができたことをお分けくださいました。 以前、50歳を過ぎてから未知の分野であった介護サービス事業を始められたある女性の方が、こんな表現をしておられました。➖私はよく「"たい”よりも"ます"だ」と言うんですけど、「〜したい」と願望を言うのではなく「〜します」と宣言し、覚悟を決めてしまうんです➖ 頭であれこれ考えて"やるかやらないか"逡巡するのではなく、先が見えないからこそ腹を決める大切さが説かれているようです。 コロナ禍の中、リモートでの北陸一念三千結集、フードドライブ、バザー – – 等々を実施できていることは"たい"よりも"ます"の決断が背中を押してくれていると感じます。コロナ感染が低下傾向にある今、私たちは恩師や先人に倣い「法華経を伝えたい」から、「伝えます」への前進を決断してまいりましょう。合掌 2022.6.18 「令和」を生きる信仰とは? さまざまな政策や制度が戦後の高度成長期のままとなっている「もはや昭和ではない❗️」と2022年版男女共同参画白書が強調しています。 ➖白書では、30歳時点の未婚割合を1980年(昭和55年)と2020年(令和2年)て比較し、女性は11.3%から40.5%に、男性は31.1%から50.4%に増加し、1985年と2021年の比較では、専業主婦が減少する一方で、女性のパートタイムをする世帯数は約3倍に増加している。但し、働いている既婚女性の約6割が年収200万円未満(2017年)にとどまっている➖ その他社会情勢の大きな変化が数字で示されました。うすうす感じていたことが現実のこととして胸に迫ります。 適齢期の結婚はあたりまえではなく、かけがえのないこと。毎日の暮らしは主婦の働きによって保たれるケースが一般的となりつつあり、しかも家計は厳しいという現実。 私たちは、こうした現実と向き合い、令和の時代にふさわしい仏道を歩むことが求められています。会長先生はご法話で最近頻繁に"見方道"のお話しをお分けくださいます。 私たちは目の前で起こる現象を不足、不愉快などの否定で捉えることも、嬉しい−幸せと肯定することも、有り難いと"感謝"で受け止めることも自由にできること。 救われの道に進もうとするならば肯定から感謝の受け止め方ができるように、見方を変える訓練の大切さが示されています。 皆さまと共に、「自分が変われば相手が変わる」からさらに「自分の"見方"が変われば相手や現象が変わる」という観音さまのような信仰の見方を身につけてまいりたいと思います。合掌