教会長の言葉

「華」だより

2021.7.18
 「聴き 話す場をつくる大事」

 法華経は、『お釈迦さまが法を説き、それを弟子(善き仲間)が聴いて、その理解し掴んだものを自分なりの言葉で他者に話していく』という展開を大事にしています。
 "聞ける=聴ける"からこそ"話せる"とも言えるでしょうか。また、健全な社会は、この聞くと話すを通じた相互の理解がスムーズに働いてこそ維持できると識者は指摘します。
 当たり前のことのようですが、現実は、親子−夫婦のような最も分かり合いが必要な間柄で、こうした"聴き 話す"コミュニケーションがくずれているのでは?と危惧されます。
 私も、お役に熱心なあまり、子どもや妻の話しにきちんとつながっていない時期があったと反省しています。
 本年[青少年育成]に力を入れていくことの大事を会長先生は示してくださいました。日本は、世界の統計でも"自信を持てず他者とつながることの少ない若者"が多いのです。
 先ず、親世代は気持ちをしっかり傾けて"仏の子"と向き合う謙虚さで、若者、子どもたちの声を聴きたいと思います。縁起の働きで、そこに『信頼』が生まれます。その上で、若者のこころに届くことを願って、温かい言葉でつながりましょう。
 このように"和して話し合う家族の姿"が、ご先祖さまの喜びと安心の最善の供養にもつながり、見守っていただけると思うのです。 合掌


2021.7.19
 「みんなの意志で変化の兆し」

 昨日、教会で『青少年育成研究会』が開催されました。
 高橋青年教務員を講師に迎えて青年各部のリーダーと教会役員が、いま、そしてこれからの青少年育成を真剣に話し合う有意義な機会となりました。
 皆んなの発表から、二点の気づきを得ました。一つは、さまざまな葛藤や矛盾を抱える現実生活の中、一人ひとりが心を開き新たな一歩を踏み出す場として、教会僧伽の役割が大きいことをあらためて実感をしました。
 もう一点は、『仏の子としてつながるネットワーク』です。
昭和43年に開祖さまより現在に続く"教会−支部体制"が築かれました。当時会員世帯が100万を超えた中、全国の支部を教会に、支部長を教会長にし、支部は在家の支部長、主任が法座主をして地域に根差す救い救われの体制とする、とても素晴らしい体制です。
 そして、こんにちコロナ禍のことも含め、現代社会、そして未来を生きる青少年と私たちにとって、支部や世代間という組織を基盤としつつ、それらを超えた"ネットワーク"も人と人との"惜しみないつながり"を創造する上で、とっても大事になることがハッキリと視野に入りました。
 これから、縦横無尽の救い救われをめざし、皆さまと共に一歩一歩新たな時代にふさわしい僧伽を築いていきましょう。 合掌

2021.7.20
 「異体同心で大河に向かう予感」

 青少年育成研究会のあった一昨日午後、『北陸壮年一念三千結集』のリモート会議が実施されました。吾らが教会の部長、スタッフの面々は、午前の前田御墓所、各道場の清掃奉仕で清らかな汗💦を流しての参加です。
 5年前に光祥さまをお迎えして壮年の集いが開催されてから、ずーっと北陸壮年の結集を願い[北陸ダーナは幸せ物語の配達人]のテーマを掲げて準備会議を重ねて来ました。
 参加人数やプログラムなど柱となる項目で中々意見がまとまらない中で、コロナ禍の打撃。
 しかし今年に入り、流れの変化を見ています。結集本番に向けて何が一番大切か。
 それは、『目の前の一人ひとりと出会い、声を聴き、幸せ物語を紡ぐこと』と皆んなが目覚めてきたのです。これまでは、高い人数目標に執われ、尻込みしたり、本番時期と内容に食い違いがみられたのが嘘のように、各教会とも足元の手取り、法座、教育に流れを向け始めたのです。
 結果、総意として、願いとして光祥さまを講師にお迎えし、会員の出会い体験を発表すること、来年秋に結集することなどが、スムーズに決まりました。
 異体同心となる心が、神仏の願いに叶うとき、それは"大河"となって流れ出すことを実感する尊い体験です。 合掌


2021.7.21
 「家の鍵を落とした σ^_^; 」

 いま、私は光祥さまと教会長7人のリモート懇談会に参加し、次は今月下旬を予定しています。但し、必ず事前に宿題の提出が必須で、昨日がその締め切り日でした。実は、前回思うように宿題の成果をあげられず、残念な思いをしていたのです。
 午後1時30分ごろ、締め切りが3時なので、ギリギリ宿題をメールにて提出することができました。その後、教会を閉めてから、マイカーの12カ月点検を済ませ、夜は定例の壮年部長会議があるので、夕食用にイオンで安価な弁当を購入。
 自宅アパートに戻り、入口扉の前に立ちポケットから鍵を出そうとしたら、何の感触もありません。
 まさか⁈ 鍵を落とした🗝
さぁそれからが大変です。落ち着け、落ち着けと自分に言い聞かせながら、夜の会議に間に合えばOK、順番に車、車の修理場、そしてイオンと探し尋ねていきます。
 最後に尋ねたイオンのサービスセンターで"鍵の大きさや材質を尋ねられました。
ドキドキ➖ありました❗️ レジのスタッフの方が拾ってくださったようです。なんと有難い感激の瞬間でしょう。
 落ち着いてから思いました。
宿題が出来たのも、夜の会議に出れるのも、多くの皆さまのおかげさまです。そうした足元の感謝、根っこへの感謝を深く胸に刻んだ一日でした。
 感謝ー合掌


2021.7.23
 「自然法爾♪おりんでオリンピック」

 富山新聞の記事が目に止まった。『高岡、小矢部の有志でつくる[高岡音風景の会]が普及を進めてきた高岡銅器の仏具"おりん"の音色が東京五輪の開幕に合わせ、都が展開する文化プログラムの一環としてインターネットで発信されることが決まった。[おりんでオリンピック]を合言葉に五輪を通じて高岡発の音色を世界に発信しようと念願しながら、今年3月に悪性リンパ腫で亡くなった元高岡関野神社禰宜の酒井晶正さんの思いが結実した形で、会員が感慨を込めている。』とある。
 この記事から、私は"自然法爾"(じねんほうに)という仏語を思い浮かべた。自分の力を捨て去り、如来の示す、絶対他力に身をゆだねること。自分を棄て、仏の力にまかせきること。また、あるがままの姿かたちであることです。
 いよいよ日本開催のオリンピックが開幕します。直面お会いしたことはありませんが、先に紹介した酒井さんは、高岡の発展のことだけではなく、日本、そして世界の人々の安寧と平和を心から願っておられたように拝察します。
 開祖さまの遺伝子を持つ私たちも、それぞれの個性と異体同心の願い[仏の子をつくる一念]を深め、家庭、地域〜[三千世界]に法輪を転ずる実践を積み上げてまいりたいと思います。  合掌


2021.7.25
 「値千金の正座での"礼"」

 日本開催のオリンピックで、日本勢 金メダル1号となった柔道男子60キロ級の高藤直寿選手28才。
 前回のリオ五輪で3位に終わった雪辱を果たした。この金も尊いのですが、私が感動したのは、勝利の試合が終わり畳みを降りる際に、高藤選手が正座し、相手側に向かって深々と"礼"をした、その姿でした。
 柔道では当然の所作なのかもしれません。しかし、万感の思いがこもった"礼"は、やはり心を打ちます。直後のインタビューでも、[みんなに支えられて− − ]と応えていました。
 清々しい姿です。柔道という道を歩む中で会得した、人間性、内面の豊かさを感じます。
 私たちも、仏道という道を歩む信仰者として、立ち居振る舞いや言動からも、相手に清々しさや安らぎを覚えてもらえるように精進してまいりたいと思います。
 改めて、普段のあいさつ、ハイの返事、イスを入れ靴を揃える➖の三つの実践と合掌礼拝の姿を点検している私です。 合掌


2021.7.28
 「優れた面を見つける情熱」

 映画監督の山田洋次さんの言葉『批判するより、いいなぁと惚れ込む感性のほうが大事』が富山新聞に掲載されていた。
 『偉そうに何かを批判するのは簡単だ。一方、新しい何かに惚れ込むには、美点を見出す眼力と、自分の価値判断を信じる強い気持ち、そして情熱が必要なのだ』と、結ばれています。
 私たちは、仏教の視点から、[先ず自分自身の優れた面を見出すこと、そして同様に、人さまの優れた面を見出すこと]に努力を傾けます。仏性礼拝の実践ですね。
 この度のオリンピックでは、13才や16才のアスリートの大活躍も見られます。コロナ禍の難儀な状況の中、大事な視点を見失なうことのないよう学びがたくさんありますね。
 年齢を問わず、自他のいのちを輝かす秘訣として、仏性礼拝の精神と実践を肝に銘じ、日々精進してまいりたいと思います。 合掌


2021.7.29
 「千人の敵に勝たんより – -」

『ひとりの自己を克服せよ』と続きます。お釈迦さまのお言葉です。
 開催中のオリンピックでは、連日、日本人選手の活躍にコロナ禍を吹き払うような感動を得ている方が多いと思います。まさに、選手の一人ひとり、あるいはチームの皆が、相手に勝利する以上に自己の弱る気持ちを克服する姿に、私たちも胸が熱くなるのだと思います。
 一方で、昨日富山県では新型コロナウイルス感染が拡大していることを受け、感染拡大警報"富山アラート"が発出されました。隣接の石川県の拡大はより深刻です。私たちは、オリンピックの輝かしい賑わいとコロナ禍の容易でない事態に、心の置きどころが分からなくてなってしまいそうです。
 こうした時こそ、『周囲の気分に流されず、自己を整えてコロナ禍に対応克服する』実践が大切になるのではないでしょうか。マスク手洗いはもちろんですが、お役だからといって、至近距離で長時間会話したり、換気を疎かにはできません。
 現在取り組んで頂いている"盂蘭盆のご供養"も当初からのルールを謙虚に守り、安心と安全に万全を期したいものです。
 教えの実践者として、今が自己を成長させる、かけがえのない時なのかも知れません。 合掌


2021.7.30
 「出会いには戦いがある」

 オリンピックでは、よく"戦い"という言葉が用いられます。実に現実生活もまた、"難儀−困難−対立"といった、さまざまな課題との戦いの側面がありますね。
 そこを克服していく道標(みちしるべ)が宗教であり、仏教の役割だと受け止めています。
 例えば、『出会い』というと、嬉しい好ましいといったポジティブな面がありますが、男女の出会いを俯瞰(ふかん)して見ても、初めは愛し愛され甘く美しい時間が流れますが、やがて男も女も心に変化が生じます。
 思ったよりも優しくない⁈
この時が"勝負➖戦いのはじまり、といっては大袈裟かも知れませんが、いま、この時に相手を固定して、ネガティブな感情で見てしまうのか。
 いや待てよ、こうした時こそ仏さまの見方ではどうかな❓と立ち止まりたいものです。オリンピックの選手は、失敗やミスの繰り返しの中から、弛みない成長をされます。
 私たちも仏道を弛みなく歩んでまいりたいと思います。 合掌


2021.7.31
 「"合言葉"で運命を開く」

 フェンシング男子エペ団体で、日本の4人が金メダル🏅を獲得しました。キャプテンの見延選手は、[ジーンと感動させるチーム]という思いを込めて"エペジーン"を合言葉に決めたと云います。
 "退路"を探すな、"活路"を探せ。 やる気がなければ"愚痴"が出る、やる気になれば"知恵"が出る。 惜しみなくつながろう、ひと手間かけて、声かけて- – 等々。
 合言葉には私たち一人ひとりの気持ちを鼓舞し、チームの一体感を高める"力"があるようです。
 8月の佼成でご法話には、"陀羅尼"について『魔が動きだす前に隙間を埋めて、心を切り替えることができます』とあります。この陀羅尼は、現代的には、"合言葉"とも解釈できるようです。
 皆さんは、いつも唱える"合言葉"はありますか? 開祖さまから分けていただいた『自分が変われば、相手が変わる』を大事にしておられる方も多いと思います。
 今、私はこのお言葉を受け止めて、『一つを励めば、すべてが変わる』を自身の合言葉として大事にしています。
 合言葉は、運命と共に"使命"を果たす上でも、パワーを頂戴できる不思議な言葉ですね。合掌