「華だより」 2022.1.24 「寒中読誦修行にひたる」 いよいよ教会各道場において寒中読誦修行が開始しました。開祖さまは、真実顕現以降、明快に「法華経」を拠り所とする信者さんとこの世界の"救い救われ"を示してくださいました。よって、年頭に法華三部経読誦に浸ることは、心の奥の奥まで法華経を身に染み込ませる大事な機会と受け止めております。 さて、初回に読誦する無量義経の徳行品の末尾に、お釈迦さまが長い間非常な努力を続けて修行され、ご自身のことを顧みられることなく、どんな苦しみにも堪え、一切のものを捨てて、ただただ衆生を救うためにお尽くしになったくだりがあります。 私たちは、こうしたお釈迦さまの尊いご努力に帰依しますと共に、私たちの究極の目標をお釈迦さまに学ぶことが大事であると思います。そのためにも、一品一品丁寧に読誦し、その内容を身に読んでまいりましょう。合掌2022.1.25 出会いを大切にされた開祖さま 開祖さまの三女、泉田佳子さまが三和会という教団幹部を卒業した僧伽の機関紙に、開祖さまが自身の子どもたちに繰り返し伝えてくださった内容の一文を寄稿しておられます。 開祖さまは常々「相手との出会いを大切に」「相手の長所-短所をひっくるめて理解する」「相手の立場で考える」「相手と自分を愛する」「相手を軽視しない」「相手への譲歩なしに調和は生まれない」「みんな大切な友だち」ということを後ろ姿で伝えてくださった➖それは、仏性が"縁"によって起こるという法華経の示す肝心が最も大切であることを子どもたちに伝えたかったのです➖「縁」を大事にすることで、何もかも、すべてを有り難く受け取れる感謝の心が湧いてくるのです➖という内容です。 法華経を生ききられた開祖さまは、また、子どもたちと同様に、すべての人々にこの"肝心"を伝えてくださったのだと信じます。 寒中読誦修行を通じて、身と心にまといたいと思います。合掌2022.1.29 心を広くして 思いを伸ばす お経を読むと、一気に右脳が優位になります。さらに、暗記(誦)しているものを唱えると、すぐに右脳優位になります。右脳優位になると、アルファ波が出てきてリラックスします。 つまり、心に苦しいことが起こったとき、ストレスを軽減し落ち着きたいときにお経をあげる(読誦)というのは、医学的にも非常に効果的なようです。 江戸時代の医師で有名な『養生訓』を著した貝原益軒師は➖「不利なる災いに遭いて、すべきようなくとも 心を苦しめて楽を失うべからず 心静かに思慮すれば、その災いも逃るる御明かりも見え来たるこてあり 行きづまり、心忙(せわ)しかるべからず 心広くして、よく思いを伸ぶべし」➖と教訓を残しています。 "思いを伸ぶる"とは、伸び伸びとすることです。楽しいの語源は、手を伸ばす「手伸(たの)しい」からきていると学びました。貝原師は、イヤなことがあっても、心を苦しめて楽を失わないよう、心静かに思慮すれば、それを解決する良き考えも出てくる。心を広くして、伸びのびと考えるようにと諭しておられるようです。 毎日の生活が、新型コロナウイルスの影響を大きく受けているいま、私たちは、心がそこに縛られないよう精進してまいりたいと思います。 合掌2022.1.30 みんなの持ち味を磨き生かす 大相撲力士の御嶽海が初場所の優勝を経て、「大関昇進」を果たしました。その昇進伝達式で「大関の地位を汚さぬよう、感謝の気持ちを大切にし、自分の持ち味を生かし、相撲道に邁進してまいります」と述べました。彼の中学生時代の学校の石碑に「自分の持ち味を生かせよ」が彼の心奥に刻まれていたようです。 この口上に接し、私たちにも当てはまるのではないかと受け止めています。即ち、「本化(本仏の教化)の菩薩の機根を汚さぬよう、感謝の気持ちを大切にし、自分の持ち味を生かし、菩薩道に邁進してまいります」と表現できると思ったのです。 本日の教会三部経読誦は、さまざまな菩薩さまが登場します。それぞれの菩薩さまには"持ち味"があり、人々が救い救われる教化力と輝きを発しています。これらの菩薩さまを、遠い理想の存在としては"もったいなく"私たちの持ち味を見つけ、磨き生かす"お手本"を見い出してまいりたいと思います。合掌2022.1.31 法華経が顕す私たちの因縁 私たちは日々家族だけでなく多くの人々と出会い、様々な思いを抱きます。仏教ではこの時代を末法"と呼び、正しい法が陰をひそめ過激な思想が跋扈(ばっこ)し、争いが絶えない時代と示しています。 どうして、こうした面倒な時代に生まれ合わせたのでしょうか?加えて、立正佼成会に入会した当初は、救いの功徳を頂戴して居心地も良かったのに段々と"お役"がついて大変な思いをすることもあります。 寒中読誦修行を通じて皆さまはどんなことを感じておられるでしょうか。私たちがこの現代社会に生まれ、佼成会のご縁を頂戴し、開祖さまや僧伽の仲間たちと出会えているのは、昨今の"因縁"ではなく、億億万劫より不可議に至って仏に遭い奉り仏道修行をしてきた"因縁"によると法華経は明らかにします。 争いや面倒の多い時代だからこそ、衆生を愍(あわれ)むが故に、極楽に行ける境涯を振り捨て、自ら"志願"してこの時代に生まれたというのです。 法華経を読誦し、それを身に読むならば、私たちの心奥にある仏性が目覚め(開顕し)、自分の本当の因縁を自覚し、本当に世の中が清まり、一人ひとりが救われる"菩薩行"に挺身する生きがいを見いだすでありましょう。 真心で仏さまから託された"使命"を果たしていく時、私たちには「真の生きる喜び」が得られることを信じます。合掌